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谷崎作品から学んだ、日本文化の素晴らしさ

堀田 映画だけでなく、舞台やテレビでも活躍されてきましたが、何が一番お好きですか。
高橋 最近は舞台が多くなりまして、今も4本出演させていただいているのですが、舞台は観ていただくお客様の反応がじかに感じられるので、とても楽しいです。少々疲れていても、幕が下りてお客様から拍手をいただくと、とても元気になるんですよ。
堀田 僕も学生相手に講義や講演を行うことがあるのですが、10人くらいの少人数だと学生の反応が手に取るようにわかるんです。人の反応を感じながらやるというのは楽しいし、得られるものも多いですよね。
最近はどんな作品を演じられているのですか。
高橋 一番新しい舞台は、谷崎潤一郎先生の「台所太平記」です。谷崎先生が唯一書かれた喜劇といわれる作品で、先生の奥さんがモデルになっているのかなと思われるような、女中さんたちの話です。
堀田 僕、それは読んだことがなかったなあ。谷崎潤一郎というと、どうしても「春琴抄」のようなエロティックな作品をイメージしてしまいますが。
高橋 私、谷崎先生の「細雪」という舞台を8年もやらせていただいたこともあって、谷崎作品をいろいろ読ませていただいたのですが、彼は日本の文化とか美というものを、とても愛していた方なのではないかと思うんですね。
堀田 随筆「陰影礼賛(いんえいらいさん)」がまさにそうですよね。「西洋では可能な限り部屋を明るくし、陰翳を消すことに執着したが、日本はむしろ陰翳を利用し、陰翳の中で生える芸術を作り上げた」と書いています。
高橋 私、それ大好きなんですよ。本当に素晴らしいですよね。
堀田 おそらく日本の美しさ、女性の美しさというものに対して、最も鋭い感性をもつ作家のひとりでしょう。高橋さんは、谷崎作品のどの役でも演じられそうな感じがしますね。
高橋 そういうふうに言っていただけるとすごくうれしいです。私も若い頃は西洋の作品や文化にあこがれがありましたが、10年ほど前からでしょうか、年齢を重ねて、改めて日本の素晴らしさに気が付きました。役を演じることで日本の良さを、若い人や海外の人たちに伝えていけたらと思っています。

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