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日本ワインの価値を もっと高めるために

堀田 最近は玉村さんの事例をみて、自分でワインをつくろうという人が増えてきているようですね。
玉村 うちの農園のまわりにもぶどうを植えてワインをつくる人がいっぱい集まってくるようになりました。みな自分でぶどうを植えてワインをつくるというあたりまえのこと をしているのですが、ぼくはそれが本来、正しいことだと思うんですね。
 日本は農産物ができたらどこかに売ればいいという考えが浸透しているので、長野でつくったぶどうを山梨や北海道のワインメーカーに売ってしまう。生産者とメーカーが完全に分かれてしまっている点が問題だと思うんです。
堀田 玉村さんはいま、「千曲川ワインアカデミー」というワインの教育施設の建設を計画されているそうですが、人材育成にも取り組まれようとしている点にひじょうに感銘しました。
玉村 農業としてのワインづくりを始める人が増えれば、新しい産地も増えていくでしょうし、個性的なワインがどんどん生まれてくると思うんです。日本ワインの発展のためにも、彼らが脱落せずにワインづくりを続けていけるようサポートしていきたいと思っています。

今日を楽しむことに集中すれば最高の一日になる

堀田 今後もますます精力的にご活躍されることと思いますが、ふだん何か健康に留意されてみえることはありますか。
玉村 山のなかに住んでいますから、天気のいい日は近くの里山を歩いたり、ウォーキングをしたりしています。
 食事は長年の食生活のなかでだいたいのバランスやカロリーがわかっているので、わりといい食生活をしていると思います。農園で野菜をつくっているので、野菜は人よりもだいぶ多く食べていると思いますよ。
堀田 農園の野菜は新鮮ですし、それはとてもいいですね。
玉村 でも、肝炎をしたのにワインをちょびちょび飲んでしまっていますけどね。
堀田 お酒は少量であればプラス効果もありますから、いいと思いますよ。
 最後に座右の銘などあれば教えていただけますか。
玉村 以前、ポルトガルを旅行したたきに、ある若いバーテンから「今日よりよい明日はない」という言葉を教わりました。日本も高度成長期のころは「今日より明日のほうがよい」と思ってみながんばってきましたけれど、今日よりよい明日を求めると、人って思いわずらってしまうんですね。
 明日がないと思って今日に集中すれば、今日が最高なわけじゃないですか。他人をうらやんだり際限のない欲望を持たずに、今日を楽しむことに集中すれば最高の一日を送ることができる。そうすれば「明日もまたがんばろう」っていう前向きな気持ちになれると思うんです。
堀田 深みのある、とても心に響く言葉ですね。一瞬気持ちが暗くなりそうに思えるけれど、ひじょうに前向きになれるとてもすてきな言葉だと思います。
 本日は楽しいお話をありがとうございました。


対談中の玉村豊男さん(左)と堀田編集委員長

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