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緻密さと根気が求められる版画制作

堀田 いままで描かれたなかで、一番大きな作品はどれくらいの大きさですか。
ジュディ 100号で、サイズは160×130mくらいです。
堀田 その大きさだと版木は何枚ぐらい使うのですか。
ジュディ サイズが大きいと木も一枚ではとれないので、絵を横か縦に二つに割って、刷るときも半分ずつ刷ります。実はこれがたいへんな作業で、たとえば色を11色使おうとすると、板を22枚彫らなければならないんです。
堀田 それはたいへんですね。
ジュディ たとえばグレーだけでトーンや陰影を変えようとすると、下絵の次に行う色分解がひじょうに重要になるんですね。思い描いているトーンを表現するために、版をどう分けていくか考えるのですが、かなり頭を使うので二〇枚くらいの版をつくると、もうフラフラになってしまいます。
堀田 版画制作には緻密さと同時に根気も求められますからたいへんですね。それでもつねに新しい作品にチャレンジしているバイタリティは、ほんとうにすごいと思います。

自分も喜び、人も喜ぶ生き方をしたい

堀田 今後もますますのご活躍が期待されますが、ふだん健康に気をつけていることはありますか。
ジュディ 犬を飼っているので、仕事のない日は四〇分くらい散歩に出かけるようにしています。二〇分くらい歩くと、ブワ〜っと汗が出てくるんですよ。
堀田 それはいいですね。二〇分くらいで汗をかくくらいの運動が一番いいと思います。
 最後にふだん心にとめている言葉があれば教えていただきたいのですが。
ジュディ 父は文人だったので、私に中国の思想や詩などをたくさん教えてくれました。
 そのなかで生涯モットーにしようと思ったのは、「悦己悦人」という言葉です。自分も喜び、人も喜ぶことをしなさいという意味なのですが、自分のためだけでなく、世のため、人のためになるような生き方をしていきたいと思っています。
堀田 人として誰もが信条としたい、とても素敵な言葉だと思います。
 本日は楽しいお話をありがとうございました。


対談中のジュディ・オングさん(左)と堀田編集委員長

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