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堀田 子育てを経験したことで、歌の表現力もずいぶん変わったでしょうね。そういう意味では、結婚され子どもが生まれても歌手を続けてこられたのは、とてもよかったのではないでしょうか。
加藤 私ね、ことしで五〇周年を迎えるんですが、いまこそ恋の歌を歌おうと思っているんですよ。
堀田 おやおや、それはよいですね。恋は年齢に関係なく、永遠ですから(笑)。
加藤 恋といっても実際に恋人がいるわけではなくて、いままでの思い出や家族を愛することが自分のなかに火をつけてくれるんです。
堀田 そうなると、これからますます新しいジャンルの歌が誕生する可能性がありますね。ファンの一人として楽しみにしています。

歌うことも土にさわることもすべては生きること

堀田 歌手というお仕事は気力や体力も必要だと思いますが、健康の秘訣などはありますか。
加藤 40代のころからストレッチ体操を始めたのですが、いまでも週に一度はやるようにしています。
堀田 食事などはいかがですか。
加藤 千葉県鴨川市に夫と開拓して造った「鴨川自然王国」という農場があるので、そこで栽培した有機野菜を食べたり、お味噌やお醤油などもすべて手作りしています。
堀田 それは健康的な食生活が楽しめますね。最後に好きなことばがありましたらお聞きしたいのですが。
加藤 私はことばを紡ぐ作り手なので、座右の銘はもたないようにしているんですが、いま「富士山だ」という歌を唄っています。きっかけは、夫が亡くなったときに、一か月前に出版した「富士山の水は体にいい」という新書版の本が出てきましてね。それから、富士山にまつわる話をしています。でも目の前にあることをまず一生懸命やって一つ一つ実行していくことを自分の生き方のモットーにしています。
堀田 目の前のことに一つ一つ挑戦していくということですね。
加藤 歌の仕事のオフのときに、よく鴨川の農場に行くのですが、農業をしたり、孫と遊んだり、おさんどんしたりして時間を過ごして仕事に戻ると、オンとオフの切り替えが、滝のようにブワーって流れ落ちてスッキリして、仕事に突入できるんです。歌を唄うことも、土にさわることも、すべては生きるということです。そう思えばどんなことにも挑戦できるんですね。
堀田 どんなときも心から歌を愛しいろいろなことに挑戦してきた加藤さんらしいことばだと思います。本日は楽しいお話をありがとうございました。

対談中の加藤登紀子さん(左)と堀田編集委員長

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