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最初の聴衆は阿木燿子

堀田 宇崎さんの曲は、奥さまの阿木燿子さんが作詞されているものが多いのですが、阿木燿子さんは宇崎さんにとってどんな存在なのでしょうか。
宇崎 この40年をふり返ってみると、阿木燿子の作詞家としての眼差しというのは、ぼくにとって、ひじょうに大きくて、きびしいことばをかけてくれる貴重な存在ですね。彼女からは「同じものを二度つくるな」とよくいわれます。
堀田 それは手きびしいですけど、するどいおことばですね。

「山口百恵さんは、歌謡界の“イチロー”ですね」
宇崎 「私は、最初に聴く聴衆の一人です。最初に、あなたの創り出したメロディーを聴く聴衆だと思ってください」っていわれるんです。
堀田 身近で見ているからこそ、きびしい審査員になるのでしょうね。
宇崎 長く作曲をつづけていると、宇崎竜童という作曲家の引き出しができていて、かなりの数のメロディーが入っているわけです。
 たとえば、「詞よりも曲を先にください」と言われると、つい引き出しの中から提出してしまう癖がついてしまうんですね。
堀田 普通なら気づかないけれど、40年いっしょに仕事をしている阿木さんには、それがわかってしまうわけですね。
宇崎 でも、これ一番きついんですよ(笑)。長い時間をかけて、徹夜までして曲を創ったのに、最初の四小節を聴いただけで「ピンとこない」っていわれたときは「こんちきしょう」って本気で腹が立ちますね。でも、そんなきびしいことをいってくれるのは彼女だけですから、心のなかでは素直に感謝しています。

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