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観客との心の通い合いが、芝居を育てる

堀田 役者さんは台詞だけでなく、動きも要求されますものね。
日色 役者の世界では「舞台の上を歩けるまでに10年」といわれているほど、役に合った歩きかたをするのはひじょうにむずかしいんです。いつ、どんな役がきても機敏に対応できるような柔軟性を身につけておくこともたいせつなんですね。

堀田 テレビや映画でもご活躍されていらっしゃいますが、舞台との違いはどんなところですか。
日色 テレビは一つ撮れば日本中に放送されますが、舞台は見たい人がお金を払って、劇場に足を運ばなければ見ることができません。舞台には期待して見に来てくれた人に生身でこたえるというか、観客との間の空気感みたいなものがあるんですね。
堀田 お芝居は観客の反応によって、ほんとうに変わりますものね。


「民藝では礼儀作法も厳しく指導されました」
日色 こんなところで笑ってくれるんだ。こんなところで泣いてくれるんだっていう、お稽古場では予想できなかった驚きが、役者の心をどんどん動かして、演技に生かされていくんです。
堀田 かのシェイクスピアも、観客の反応を見てストーリーを変えていました。観客の感性で変化していくから、台本はけっして一つではないんですね。
日色 役者と観客との心の通い合いによって、毎日“なまもの”のように変化していくのが舞台の最大の魅力なんですね。だから何十年、何百年と、色褪せることなく受け継がれてきたのだと思います。

意外性のある役ほどたのしい

堀田 今後やってみたいこと、役者さんとしての目標などはありますか。
日色 2013年2月13日から、東京の紀伊國屋サザンシアターで「真夜中の太陽」という舞台をやります。
 劇作家の工藤千夏さんが、シンガーソングライターの谷山浩子さんの「真夜中の太陽」という曲をモチーフに創作された、太平洋戦争を舞台にした幻想的な物語なのですが、80代のおばあちゃんと10代の女学生の両方を一人で演じるんです。

堀田 それはまたやりがいがあるというか、たいへんな舞台ですね。10代の女学生の役となると、声の出しかたもたいへんなのではないですか。
日色 実は若い娘の役はこれが初めてではなくて、2011年4月に「マギーの博物館」というお芝居で、21歳の役をやったんです。
堀田 21歳の役ですか、それはすごい。

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