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台詞を覚えるのではなく、場面を理解すること

堀田 役者というお仕事は、台詞を覚えるのがたいへんではないかと思うのですが、コツなどはあるのでしょうか。
日色 コツというのはなくて、ひたすら努力ですね。わたしの場合は台本を毎日、くりかえし声に出して読みながら覚えます。

堀田 声に出すと自分の耳に慣れるから、覚えやすいということですか。
日色 はい。台詞はリズムもたいせつなので、相手の台詞も読みながら掛け合いで覚えていくんです。
堀田 相手の台詞も覚えるのですね。それはたいへんです。
日色 はい。でも全部覚えるわけではないんです。たいせつなのは、相手のいったことに対して自分はなぜこういう台詞を返すのかという、場面の意味をきちんと理解することです。
 自分の立ち位置を理解していれば、演ずるうえでの感情はおのずとついてきますから、演技に自然に対応できるんです。
堀田 なるほど。台詞をいう場合は、声の出しかたもたいせつですよね。
日色 発声方法はひじょうにたいせつで、劇団では足の底から声を出すということを教わりました。

堀田 腹の底ではなくて足の底ですか(笑)。それはまたおもしろい。

日色 わたしもね、最初聞いたときは「なんですか、それ」って思ったんですよ(笑)。先生いわく、からだは楽器なので、からだ全体で音を出さなければいけないそうで、足をしっかり地につけて腹式呼吸で音を出す。おなかだけに力を入れて声を出すのとは、まったく違うということを教えていただきました。
堀田 たしかにオペラ歌手は足をふんばって腹式呼吸で歌っていますものね。
日色 緊張をほぐすこともたいせつなので、発声練習の前にはストレッチもおこなっています。

 

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