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短冊を持って被災地へ

堀田 きょうは俳人の黛まどかさんをお招きしました。
黛さんは二〇一二年4月に「まんかいのさくらがみれてうれしいな 被災地からの一句」という本を出版されました。
この本では、二〇一一年3月11日に起きた東日本大震災の被災者の方々が書かれた、一二〇句にも及ぶ俳句を紹介されていますが、拝読してほんとうに感銘を受けました。
 ありがとうございます。そうおっしゃっていただけるとうれしいです。
堀田 黛さんは、震災後間もなく被災地に行かれたそうですが、きっかけはなんだったのですか。
 阪神淡路大震災のときに、瓦礫の被災地でたくさんの俳句や短歌が創られたのですが、その句で多くの被災者の方々が救われたというお話を伺って、以前にその俳句を見せていただいたことがありました。
堀田 なるほど。被災地に行って、俳句でなにか役に立ちたいと思われたわけですね。
 はい。でも、初めは単なる自己満足ではないだろうか、行ったらかえって迷惑になるのではないだろうか、とずいぶん悩みました。
堀田 それでも現地に行こうと思ったのはなぜですか。
 ちょうどそのころ、作家の森村誠一先生と対談する機会がございまして、森村先生が「行くことに後ろめたさをもってはいけない。俳句は生き死にから役に立つから、ためらわずに行ってらっしゃい」と背中を押してくださったのです。
堀田 それはとても心強い助言ですね。

人の心に寄り添う、俳句の力

 そのことばを聞いたとたんに迷いが消えて、俳句の力を信じようという決意ができたんですね。それで短冊と拙著「あなたへの一句」を用意しまして、4月22日から四泊五日で、福島県飯舘村・相馬市・新地町、宮城県石巻市、岩手県野田村・岩泉町・山田町と十数か所の避難所を回りました。
堀田 被災地を回られて、状況はいかがでしたか。

「俳句の力を信じようという決意ができたんですね」

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