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ソロとオーケストラの違い

堀田 僕がハープに興味を持ったきっかけは、ロシアの作曲家、リムスキー=コルサコフの交響組曲『シェラザード』なんです。ヴァイオリンソロの前に、ハープが美しいメロディーを奏でますね。
吉野 オーケストラでも、ハープを効果的に使うと、場面の色がスッと変わったり、変化したりして印象に残りますね。
堀田 ハープのための協奏曲などは別として、例えば『シェラザード』では、絶えず弾いているわけではないですよね。自分の出番まで、緊張感を保つのは大変なんじゃないですか。
吉野 オーケストラは、ソロや室内楽とはまた違う神経を使いますね。私は普段はソロが多いのですが、サイトウ・キネン・オーケストラなどのメンバーとして弾くと、やはりすごく勉強になります。
堀田 フランスの作曲家、ベルリオーズの『幻想交響曲』の第2楽章、舞踏会の場面も、ハープが重要な役どころを担いますね。
吉野 その曲は小澤征爾先生指揮のサイトウ・キネン・オーケストラで3回ほど演奏させていただきました。特に、2010年のニューヨーク・カーネギーホールでの演奏は、小澤さんのご病気後の復帰公演でもありましたので、とても心に残っています。ベルリオーズの『幻想交響曲』は、第1楽章にはハープの出番がなく、第2楽章のはじめから目立つ形で登場するので、かなり緊張します。

生まれたときからハープが生活の一部だった

堀田 吉野さんは最初からハープだったんですよね。
吉野 はい。よく「なぜハープなんですか?」と聞かれるんですが、母もハーピストでしたので、生まれたときから家にハープがあって、私にとっては生活の一部でした。
堀田 子供さんは、小さな楽器から始めるんですか。
吉野 私は6歳のときに、アイリッシュハープという、ペダルの無い小ぶりなハープから始めました。もう少し大きくなってからは、通常より少し小ぶりの、ペダル付きのハープで練習していました。

堀田 演奏には指を使いますよね。ケガをしないように、普段も気を付けていらっしゃるんですか。
吉野 私はあまり気にしません。ケガが怖いからといって、何もしないのも変ですので、料理もしますし、包丁も使います。母も音楽家ですが、「ハープをしているから、あれをしてはダメ。これをしてはダメ」とは言われませんでした。小学校でも、普通の子と同じように遊んでいました。
堀田 最初の先生はお母様だったのですか。
吉野 私にとって初めての先生は、6歳のときにアメリカで出会ったマクドナルド先生でした。でも、家では母がいつも横について、一緒に練習してくれていたので、先生と母という2人の先生が同時にいた感じです。子ども一人では、なかなか効率よく練習できないと思うので、その点、母がうまくリードしてくれたのだと思います。
堀田 やはり環境は大事ですね。
吉野 そうかもしれませんね。ピアノも5歳から習っていましたが、いつまでたっても、すごく大きいというか、自分には合わない、大変というイメージがぬぐえませんでした。ハープは存在自体が、自分にとって自然だったので、すんなりと入れました。

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