BENCHNOTE CLUB WEB SITE

平和の『和』、なごやかの『和』

堀田 舞台も彫刻も、長く続けるには健康が大事ですよね。何か留意されていますか。
滝田 『家康』の撮影後、座禅を始めました。背中を伸ばして、吸って、吐いてと続けているうちに、「怒る」か「我慢するか」の2択ではなく、中間があるのだなと思えるようになりました。おかげで、どんなときでも安らいでいられるようになりました。
堀田 何でもご自分でうまく咀嚼(そしゃく)されて、極められて、それも滝田さんが素直だからでしょうね。演劇にしろ、仏像にしろ、人を楽しませたい、喜ばせたいという気持ちが基本にあるのですね。滝田さんの心がこもっているから、多くの人に伝わるのでしょう。最後になりますが、座右の銘を教えていただけますか。
滝田 2014年に、日本の世界遺産を巡る仕事をしたんです。そのとき、日本史における仏教の大きさを改めて感じました。アインシュタインが来日したとき、日本人はなんと親切で礼儀正しく、知性にあふれているのかと驚いたといいますね。仏教がそうやって日本人を導いてくれたのではないかと思います。聖徳太子は「和を以って尊しとなす」と仏さまの教えを一言でまとめました。平和の『和』、なごやかの『和』、僕もそうありたいと思い、『和』の一字を書かせていただきました。
堀田 意味深い、教えられるところの多い言葉ですね。本日はありがとうございました。

*1 1983年放送。織田信長役に役所広司さん、豊臣秀吉役には武田鉄矢さんが起用された。
*2 今川家の人質だったころ、家康は臨在寺の住職であり今川義元の軍師でもあった太原崇孚雪斎(たいげんそうふせっさい)に学問の手ほどきを受けた。
*3 1987年初演。主役のジャン・バルジャンとジャベールを鹿賀丈史さんとダブルキャストで演じた。

対談中の滝田栄さん(右)と堀田編集委員長

◎フィットネス講座

お部屋の中で簡単ウォーキング