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■緊急事態への対応

  糖尿病の人が,とくに気をつけなくてはならないのが昏睡です。昏睡は意識がなくなった状態で,血糖値が極度に高くなったり,低くなったりすると起こります。

●糖尿病昏睡(高血糖昏睡)

 暴飲暴食や過労,あるいはかぜや吐き気・下痢などの消化器疾患,それにインスリン注射や経口血糖降下薬を勝手にやめたりして,血糖が極端に高くなると起こります。のどの渇き,多尿,腹痛などの前ぶれの症状があります。とくに軽い意識障害が出たら,すぐに病院に行きましょう。

 ●低血糖昏睡

  インスリン注射や経口血糖降下薬の量が多すぎたり,食事を摂らなかったり,食事時間が遅れたりして,血糖が極端に低くなると起こります。強い空腹感,集中力の低下,手や指のふるえ,冷汗,動悸などが,前ぶれの症状です。意識がなくなったらすぐに病院に運ばなければなりません。
 こうした症状がでたら,砂糖やジュースなど甘いものを摂るとよくなるので,ふだんから砂糖(ペットシュガー)などを持ち歩くようにしましょう。  

シックデイ

 かぜなどの感染症や吐き気・下痢などの消化器疾患にかかって体調をくずしている状態を特別に「シックデイ」といいます。「シックデイ」の際には、血糖が高くなり、血糖のコントロールが乱れやすくなります。このような時には、➀血糖・尿糖、尿ケトン体検査による糖尿病コントロール状態の頻繁なチェック、➁インスリン注射の追加、➂糖質を主体とした消化のよいものの十分な確保と水分・電解質の十分な補給が、とりわけ大切になります。


●不慮の災害

 最近頻発している地震,風水害,新型感染症など不慮の災害にも,十分な備えが必要です。とくに毎日使用している血糖自己測定機器や,経口薬,インスリン器材などは,すぐ持ち出せるよう身近に置いてください。
 こうした不測の事態に備えて,主治医やスタッフから対応・対策をよく聞いておくとともに,日本糖尿病協会が発行している糖尿病患者カードなどを身につけておきたいものです。
 

 



糖尿病の歴史を学ぶ!