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■糖尿病の合併症

 血糖をコントロールせずに,長い間不摂生を重ねていると,全身にわたる合併症を起こします。とくに気をつけなくてはならない合併症は,三大合併症といわれる神経障害,網膜症,および腎症です。
 このうち,もっとも早くあらわれるのは神経障害で,糖尿病になってから5〜6年後,網膜症で7〜10年後,腎症で15年後といわれています。糖尿病性網膜症は中途失明原因の第1位,糖尿病性腎症も血液透析導入原因の第1位を占めています。
 ただし,定期的にこれらの合併症が起きていないかどうかの検査を受け,症状のないうちから血糖のコントロールを十分に行えば,合併症の発症や進行を抑えることができます。

●神経障害

 一般に神経障害は,手足などの末梢神経の障害から始まり,いろいろな症状が全身にあらわれてきます。
 例えば,手足の先がしびれたり,激痛をおぼえたり,あるいはひどい下痢や便秘を起こしたり,立ちくらみを起こしたりします。インポテンツもこの神経障害が原因です。
 また,眼球の運動が障害されて,ものが二重に見えたりすることもあります。神経障害の予防には,血糖のコントロールが重要です。

●網膜症

 網膜症は,目の奥にある網膜(眼をカメラにたとえると,フィルムに当たる部分)の血管が詰まったり,出血して,網膜の機能が低下し,進行すると失明に至る合併症です。
 網膜は体の中でもとくに細い血管が集まっているところですが,糖尿病になるとこの細い血管が詰まりやすくなったり,もろくなって出血を起こします。
 網膜症にならないためには,日頃から血糖コントロールをきちんと行い,半年か1年に1回位は定期的に眼底検査を受けて,網膜に異常が起こっていないかをチェックする必要があります。

●腎症

腎臓も網膜と同じように,とくに細い血管が集まっているところです。高血糖のために腎臓の細い血管がおかされると,腎臓の働きが悪くなります。
 初めのうちはたんぱく尿が出る程度で,自覚症状がありません。しかし,そのまま放っておくと,腎機能は少しずつ低下し,最終的には腎不全に至る合併症です。そうなった場合は,血液透析を受けなければなりません。
 腎症が起こっているかどうかは,尿の中に微量のたんぱくが漏れ出ているかどうかで調べます。腎症を防ぐためには,やはり血糖のコントロールが必要です。



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