■最近の健康事情
●メタボリック症候群とは
最近の色々な研究で,糖尿病,高血圧,高脂血症などの「生活習慣病」に肥満が加わると,動脈硬化の発症頻度が著しく高まることが明らかになりました。これは肥満に伴いお腹に脂肪が過剰にたまると,体内の調節機能(代謝)のバランスが崩れ,血液中の糖分(血糖)や脂質,血圧に悪影響を及ぼすためです。これらが二つ以上重なると,心筋梗塞や脳卒中の危険性が飛躍的に高くなります。この状態をメタボリック症候群あるいはメタボリックシンドロームなどと呼び,今マスコミでも話題になっています。●脂肪のつき方が問題
肥満の中で,腰のまわりや太ももに脂肪がたまる,一見して肥満と分かるタイプ(皮下脂肪型肥満)より,外見では分からない,内臓に脂肪がたまるタイプ(内臓脂肪型肥満)がメタボリック症候群の危険性が高いといわれています。皮下脂肪型肥満を「洋ナシ型肥満」,内臓脂肪型肥満を「リンゴ型肥満」と呼ぶこともあります。また最近メタボリック症候群の診断基準が示され,内臓脂肪型肥満を見分ける目安として,ウエストサイズが男性85cm,女性90cm以上あると,その疑いが強いとされています。